ラブホから始まる少女の物語〜アニメ映画「心が叫びたがってるんだ」〜
これまでにラブホテルから始まるアニメがあっただろうか。(いやない)
試しに「アニメ 冒頭 ラブホ」でGoogle検索してみると、【2020年02月最新】ラブホテルアニメランキングおすすめTOP1というあにこれのサイトが出てくる。
TOP1って笑
この物語は、少女がラブホから出てくるパパ(と知らない女の人)を発見する所から始まる。
地上波初放送時の視聴者の反応は
しょっぱなラブホから出てくる父親目撃する 娘ってどんな映画かと思ったわwww #心が叫びたがってるんだ #kokosake pic.twitter.com/rsgIomjzlH
— HARVY|オモヒデホカンコ (@game_ha_1217) July 29, 2017
初めは見るつもりなかったんだけど、冒頭から幼少期に憧れていた“お城”がまさかのラブホでそこから出てきたのが自分のお父さんと不倫相手だった…という衝撃的な滑り出しにまんまと釘付けになってしまった。#心が叫びたがってるんだ
— 高橋 (@takahashi___mi) July 29, 2017
と衝撃的な様子。
そんな奇想天外なオープニングで始まる「心が叫びたがってるんだ」についての感動シーンを紹介したい。
その1「言葉は人を傷つけるんだから」
ふれあい交流会(略してふれ交)の打ち合わせ中、偶然そこに居合わせた野球部の後輩が、田崎に怒りの言葉を浴びせる場面。
「言葉は人を傷つけるんだから」
これは、そのときに成瀬が放った言葉である。
言葉は人を傷つける。本当にそうだと思った。
私も人の言葉で傷ついたし、知らず知らずに人を言葉で傷つけた。
大人になると人を殴って傷つけたりはしないが、代わりに言葉で傷つける。
心の痛みは定量化できないけど、今までで一番傷ついた言葉は何だっただろう。
おそらく中1のときに隣の女子に言われた
「お前すごいむかつく顔してるよね」
だと思う。こいつモノホンのサイコパスだわ。
一方で、自分が相手を一番傷つけてしまった言葉は何だっただろう。
おそらく25歳のときに一緒にカラオケに行った女子に言った
「〇〇さんって胸小さそうだけど、何カップ?」
だと思う。俺もサイコパスだわ。
もちろんその子とは疎遠になった。
糞みたいな脱線をしたが、とりあえず言葉は人を傷つける。
その2「私の"おかげ"..? "せい"じゃなくて..?」
これは、ラブホテルにて成瀬が坂上にすべての思いを洗いざらいぶちまけたあとで、坂上は「成瀬のおかげで気づけた」と伝える場面。
「私のおかげ..?せいじゃなくて..?」
と成瀬が言う。
人を傷つけるのが言葉であったが、同時に誰かに勇気を与えるのも言葉であった。
それを気づくきっかけとなったのが冒頭と同じラブホテル、というのがとても良い。
全国には廃墟ラブホテルがけっこうあるらしい。
「廃墟 ラブホテル」でGoogle検索してみると、一番上の八画文化会館を筆頭に多くのブログで採り上げられていることが分かる。
ちなみにここさけのラブホテルは、明確にはモデルというものはないらしいが、高崎にあるシャトーデュオというところが似てるみたい。
普通に営業しているホテルなので、間違っても聖地巡礼しに男同士で行くのは遠慮しよう。
その3「私の声さようなら」
言わずと知れた成瀬の登場シーン
本当に鳥肌もの。
声を失くした少女の想いが込められたこの曲(「私の声さようなら」)の良さも相まっている。(もちろん水瀬さんの歌唱力も)
歌詞を一部抜粋すると
わたしの声 さようなら あの山の先の
深くねむる湖に 行ってしまった
ひとのこころ傷つける 悲しい言葉を
口にしたくないと泣き 行ってしまった
やはり岡田麿里天才か...
取り返しのつかないことをしてしまったと嘆く少女の心を上手く表現されている。
原曲はイングランド民謡でそれに歌詞をつけたよう。
この曲の他にもここさけの演劇で使われた楽曲は、クラシックや民謡が使われているが、これらがこの物語を色濃くしていることは言うまでもない。
この後、ふれ交は無事ハッピーエンドへ..
まとめ
傷つけ、傷つけられ、思い、思われ、ふり、ふられ。
そうして少年少女は成長していく。
決して戻れないからこそ輝く青春時代。
ずっとトラウマに囚われず、なるべく前を向いて歩いていこう。
ここさけはそう思える作品だった。
頑張ろう、大人は大人でさ。
(藤原さん演じる担任のしまっちょは非常に素敵なキャラをしている)
あなたの心は叫びたがってるか。
欲しくなったらアマゾンですぐ買おう。
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